プリントオンデマンド出版について
今度出る詩集『おとはきこえ』は、「かく」第8号と同じく、Amazonのプリントオンデマンド形式で出版されます。今日はそのプリントオンデマンドというサービスについて説明したいと思います。
これは、まず著者が作った本のデータを、出版社を通してAmazonに登録することで、その本が販売されます(公序良俗に反するものとかそういうものでなければOKです)。それに注文があるごとに応じて、1冊からAmazonの方で印刷し、注文者にお届けするというシステムです。在庫を抱える心配がなく、著者としてはありがたいシステムです。今までは、印刷所に頼んで、そもそも何部印刷しようかと考えるところからはじめて、まずは著者が印刷費を負担していたのですから。
これは、Amazonに直接頼むのではなく、出版社を介して提供されるサービスです。ぼくの場合、インプレスR&Dという会社が運営するNextPublishingというところに頼みました。サイトの使い勝手も非常によく、対応も丁寧で、満足しています。
ここでは、規定の印刷費(モノクロページ数×2.5円+カラーページ数×6.9円+180円)と販売手数料(本体価格の40%)に自分の利益を上乗せして本体価格を設定します。例えば、100ページのモノクロ本だったら、印刷費は430円。これを1000円で売るとしたら、手数料が400円で、著者の利益は170円になります。手数料400円のうち、出版社の分の純利益がどれほどかわかりませんが、プロの作家でもない人間がきちんとした出版社に頼んでいることを考えると、こんなもんかもしれません。
このように価格設定をして、売り出されるわけです。
オプションですが、ISBN(書籍に個別に割り当てられる識別番号。バーコード)も取得できます。
また、著者ならその著作を3割引で購入することもできます。
ただ基本的には、先日のこのブログ「『かく』の作り方」でも紹介しましたが、組版や表紙を自分で作る必要があります。これはちょっとハードルが高いようですが、これまたオプションで頼めば、ワードなどの文字データのみでの発注も可能のようです。表紙も同じく。ぼくの場合は全部自分でやらないと気が済まなかったので、当たり前のように自分で作っていました。
というわけで、流れをまとめると、このようになります。
1 原稿を執筆
2 本文の組版・表紙を作る ※オプションサービスあり
3 そのデータをサービス提供者側にアップロード(同時に、タイトル・価格等の必要な情報も登録)
(3.5 ISBNを取得)
4 出版申請する
5 販売開始(申請から1週間くらい)
〜ここからはAmazon・出版社側〜
6 本を買いたい人が注文
7 印刷(1冊からOK)
8 発送
9 本が届く、読む
と書くと簡単のようですが、規定どおりに仕上げたり、読みやすいように工夫したりする作業や、そもそもの本として内容を吟味したりで、ぼくは今回の詩集『おとはきこえ』は何ヶ月もかかりました。でも普通にやればそんなかからないと思います。
というわけで、『おとはきこえ』は先週出版申請をしているので、販売開始ももうすぐだと思います。
もし本を出したいと興味のある方がいましたら、よかったらこのサービスを使ってみてもいいと思います。いいものを書いてちゃんと宣伝すれば、それなりに売れるんじゃないでしょうか(?) ぼくは宣伝が下手なので大して売れてないですが。