自由
僕たちは日々
凡人のように悩み
天才のように憂鬱になるけれど
難しい考えは行きつ戻りつして
結局どこにもいかないように思う
地球が一回転するあいだに
歩いた歩数だけ世の中は変わるけれど
根っこが生えている僕たちだから
水と太陽があればそれで満足なのさ
僕たちはつねに地平線に立っているから
遠くの彼らには見えやしない
彼らは僕たちのことを
「かわいそう」
って言うけれど
僕はそう
水と太陽があればいいんだ
呼吸したぶん背は伸びるし
食べたぶんだけ物知りになる
「なにもない」
という素晴らしいものを持っているし
どこにでも行ける自由がある
だってそう
根っこの生えた僕たちだから