立山が見えるぞ!
今日、ぼくの家から、南の海の向こうに立山が見えました。
明日は雨かもしれません。
ということで、以前の職場の会報誌(?)に寄稿した立山に関する文章があるので載せます。
立山といえば、富山県にある霊峰として有名ですが(石川県の白山、富士山と合わせて日本三霊山とのことです)、その立山がこの能登半島から見えるということをご存知でしょうか。富山湾をぐるりと回って、ここから立山へは何も遮るものはなく、日本海に浮かぶ立山が、日によっては見えることがあるのです。残念ながら、舟小屋がある木の裏は半島の北側にあるので見えませんが……。
もちろん毎日見えるわけではありません。「日によっては」と書きましたが、筆者が子供の頃は、よく祖母に「立山が見えたら次の日は雨が降る」と言われたものです。しかし筆者の記憶ではそれが当たる確率は六〇パーセントくらいですが(異論があればお寄せください)。
ところで、ここで何の疑いもなく「立山」と書いていますが、正確には「立山連邦」と書くべきだということに気づきました。子供の頃から、立山立山と言っていたものだから、この風景全部が「立山」だと思っていました。実は、立山はこの連なりの中のたった一つの山にすぎず、その東隣には有名な劔岳や駒ケ岳があって、その最も高い山が立山だったと、恥ずかしながら今知りました。しかも、「立山」というのは三つの峰の総称で、単独に「立山」と称する山はないとのこと。知りませんでした。
最初に戻ると、こんな風景、よそじゃ見られないのではないでしょうか? 山の標高とそれまでの距離、そこに何もないという地形的な条件、その日の気候条件などがそろって初めて、海に浮かぶ霊峰という奇景が見られるのです。房総半島の先端から新宿のビル群が見えるみたいなものでしょうか。違うか。
そういえば、富山県の魚津は蜃気楼の町として有名ですが、魚津から見えるのはここ、能登半島なわけです。彼らはその向こう側から、自分たちのこの山々が見られていることを知っているのでしょうか?

(2015/7/20)