無料の「かく」
「こんな冊子を無料で配布しているんですが」
と言い、「かく」を見せると、
「え、これが無料!? お金取りなよ!」
必ずといっていいほどそう返されます。
自分でもアホらしいなあ、なんて思います。
創刊号は60ページありましたが、その後は30〜40ページくらい。
それを無料で書店やカフェに置いていただいて、TAKE FREEでやっています。
そのころ、ZINEというのが流行っていて、それぞれ思いおもいの本を作って、皆無料で配布していました。
お金を目的とせず、表現を形にして読んでもらうことに意味があったのです。
それが通常版7号と別冊1号の計8冊がすでに刊行されています。
一言でいってしまえば、それを途中からお金を取るという形に変更するのが、どうも気がひけるのです。
無料だから手にとっていただけるというのもあるでしょうし、無料だからこその価値というものもあるように思います。
決して、「自己満足だから、お金はいいよ」というわけではありません。
あくまで、読んで面白がってもらえることが目的です。
「金をいただく」というのも、ひとつ社会的な責任と言えるかもしれませんが、無料で読んでもらうという方法も、ひとつの社会実験と言えるでしょう。
それを思い、「『かく』は無料で出し続ける」と決めました。
無料の本という価値を出し続けるのです。
双芸舎の今後の活動で、もちろん新しい本を作り続けたいのですが、そのときにお金おいただくという形を取るつもりでやっています。
そこが、双芸舎の社会とのつながりだと思います。
だから「かく」はそういう冊子なんです。そういう立ち位置の冊子と理解していただければと思います。
宣伝にもなりますしね。
というわけで、別冊かく2016、今月中の発行を目標に、編集作業も大詰めです。
お楽しみに!