アンチ速読
ぼくは本を読むのが苦手です。
速読なんてもってのほか。
皆さんはどうかわかりませんが、ぼくは本を読むときは、頭の中で音にしているような気がします。
完全な仮想音読というわけではないようですが、文字をイメージで読み取って解釈するというような読み方ではないです。
両者の折衷式といえるかも。
それで、これはぼくの僻みによるものなのか、むしろ速読というものに断固反対しようと思うのです。
本は言いたいことを伝えるものではありますが、その伝え方の美しさというものもあるのではないでしょうか。
声に出して読んで良い文章。
日本語として綺麗な文章。
何より、音楽としての日本語、というものがあると思います。
これは、ぼくが詩を書くことから始めたのによるものかもしれません。
それも速読で味わうことができるのか?
これは原理的に無理でしょう。
3分間の音楽を味わうには3分間必要とします。
文章とて同じこと。
人によって速い・遅いはあるものの、一つの文章を味わうにはそれを声に出して読むことがとても大事だと思うのです。
そんな中で、ぼくは、読んでいて気持ちのいい文章を目指しています。
内容の濃いものを書きたいという思いもありますが、内容の如何によらず、読んでいて気持ちのいい文章。
これがいいと思っています。
気持ちが良くて何が悪い?(What's so bad about feeling good ?)です。
もちろん、それだけ考えているわけではないですが。
読む人が気持ち良く読めるもの。
それでいいんじゃないかと思っています。
その感覚を大事にしたいので、速読というものに抗って行こうと思うのでした。